児童買春
18歳未満の児童に対価を支払って性行為等を行った場合、児童買春として児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(通称、児童買春・児童ポルノ禁止法)違反となります。
18歳未満だと知りながら性交渉を行った場合はもちろん、明確には18歳未満だと伝えられていなくても、児童の言動や外見、性交渉に至るまでのやり取りから、18歳未満であることが認識できるような場合も児童買春となる可能性があります。
このことは、風営法上の届け出をしている風俗業者等を利用した場合も同様となる可能性があります。
児童買春でも、13歳未満の児童の場合は、不同意性交等罪(旧:強制性交等罪、強姦罪)あるいは不同意わいせつ罪(旧:強制わいせつ罪)となります。
不同意性交等罪や不同意わいせつ罪は、13歳以上の場合は、被害者との合意があれば成立しませんが、13歳未満の場合は、被害者との合意があっても、また、暴行または脅迫をしていなくても成立するので、注意が必要です。
なお、対価の支払いが無く18歳未満の児童と性行為等を行った場合には、各都道府県の青少年保護育成条例違反となる可能性があります。
児童買春事件発生からの流れ
送検・勾留まで
補導された児童の証言、児童の親による警察への通報などで、数か月以上前の児童買春が発覚し、逮捕ということもあり得ます。
逮捕前にご相談いただければ、弁護士としてアドバイスできる内容は多くなり、有利な結果となる可能性も高くなります。
児童買春で逮捕された場合にも、弁護士と連絡を取りやすくなります。
警察は必要な捜査を終えた後、事件を送検します。
逮捕から送検までは、最長48時間の時間制限があります。
送検されると検察は24時間以内に勾留が必要かどうかを判断し、必要とした場合裁判官に勾留請求を出します。
必要なしとした場合釈放されます。
裁判官は勾留要件を満たしているかを検討し、勾留決定か釈放を判断します。
勾留されてしまうと、逮捕に引き続き、10日場合によっては20日の身柄拘束が続いてしまいます。
そのため、できる限り勾留されないようにする弁護活動を検察官や裁判官に対して行います。
児童買春の罪は、事件の具体的内容及び弁護活動によっては、勾留を防ぐことも可能ですので、逮捕段階から弁護士に依頼する重要性が高いといえます。
仮に勾留されてしまった場合、勾留中は検察官・警察官より様々な取調べが行われ、最長で20日以内に起訴か不起訴かが判断されます。
勾留された後でも、勾留の判断に対して不服申立を行う等、早期釈放に向けての弁護活動を行います。
捜査が終結し、検察官の求める処罰(求刑)が罰金の場合、略式起訴(法廷での裁判を開かずに書面審理で罰金を科する手続き)で、罰金が決定する場合もあります。
例えば、初犯の方が児童買春の罪を犯した場合、具体的な事件内容にもよりますが、略式起訴により罰金刑が科されることが多いでしょう。
起訴から裁判まで
勾留されたままで起訴されると、勾留状態が続きますが、保釈請求も可能です。
保釈とは保釈金を収めることを条件として、一定の制限はあるものの、身柄の拘束を解かれる制度です。
保釈請求を行うと、裁判官が検察官の意見も聞いた上で許否を決定します。
保釈金は裁判手続の終了後、返還されます。
もし、保釈中に、裁判に出廷しない、証拠隠滅行為をするなど裁判官が定めた保釈の条件に違反した場合、保釈金は没取されます。
裁判が行われると裁判官により、有罪・無罪が検討され、有罪であれば量刑も言い渡されます。
執行猶予が付くこともあり、猶予期間内に執行猶予が取り消されなければ、言い渡し自体が無かったことになります。
起訴後は罰金刑、執行猶予付きの懲役刑の獲得など、刑務所に入らずに済むための弁護活動が主となります。