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「交通犯罪」に関するQ&A

ひき逃げに気づかなかった場合も、刑罰を受けることになるのでしょうか?

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年12月18日

1 ひき逃げ

人身事故を起こした場合、負傷者を救護する義務が発生します。

負傷者を救護せずに、事故現場を離れた場合、救護義務違反として犯罪となりえます。

この救護義務違反が、いわゆるひき逃げと言われているものです。

なお、交通事故をおこせば、警察への報告義務も発生し、警察への報告を怠れば、報告義務違反という犯罪となりえます。

2 事故をおこしたことに気付かなった場合

一定の犯罪を除き、犯罪が成立するには、犯罪にあたる事実を認識している必要があります。

簡単にいうと、一定の犯罪を除き、わざとやらないと犯罪にはなりません。

例えば、他人の傘であると認識した上で、傘立てから他人の傘を持ち去ると窃盗罪となりえますが、自分の傘と間違えて、傘立てから他人の傘を持ち去った場合には、窃盗罪にはなりません。

ひき逃げの場合であれば、犯罪が成立するには、人身事故を起こしたという事実を認識した上で、事故現場から離れることが必要です。

そのような認識が無かった場合、救護義務を課す前提に欠けるため、犯罪は成立せず、刑罰を受けることにはならないということです。

3 事故に気付かなかったという言い分は認められるか

運転手が、事故には気づかなかったと供述すれば、それだけで起訴を免れたり、裁判で無罪になったりするわけではありません。

例えば、自動車で事故を起こした場合に、事故現場の防犯カメラや、事故当事者の車両または周囲の車両のドライブレコーダー等の映像により、事故の客観的状況が明らかになることが多々あります。

ドライブレコーダー等の映像を確認すると、昼間で明るく、事故現場は見通しの良い場所で、自動車が歩行者と接触事故を起こしたことが明らかであったような場合、事故に気付かなかったという供述は、信用してもらうことが難しく、起訴されたり、裁判の結果、有罪になったりする可能性は高いと思われます。

次に、例えば、夜間、泥酔して路上で寝ている人をひいてしまったが、人をひいたとは気づかなかったというケースの場合、具体的状況によっては、救護義務違反があったとはされない可能性もあるでしょう。

ただ、運転中、自動車が何かに乗り上げたという感触があれば、人をひいたことの未必的な認識はあるとみなされることもあると思われ、実際に、夜間、泥酔者をひいてしまったケースで、救護義務違反として起訴されることはあると思われます。

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