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「実刑・執行猶予・罰金・前科等」に関するお役立ち情報

執行猶予が認められる基準

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年3月20日

1 執行猶予の種類

執行猶予には、刑の全部の執行猶予と刑の一部の執行猶予があります。

執行猶予については、刑法の第一編の第四章に規定されています。

刑の全部の執行猶予については刑法第25条に、刑の一部の執行猶予については刑法第27条の2に規定されています。

2 刑の全部の執行猶予が認められる基準

刑の全部の執行猶予が認められる場合は、大きく分けて2つの場合があります。

まず、①前に禁錮以上の刑に処せられたことがないか、前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがないこと、②3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたこと、を充たす場合です。

この場合、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができるとしています。

次に、①前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者であること、②1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けたこと、③情状に特に酌量すべきものがあること、④刑法第26条第1項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者でないこと、を充たす場合です。

この場合も、前項と同様とする(情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる)とされています。

3 刑の一部の執行猶予が認められる基準

刑の一部の執行猶予が認められる場合は、①前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者、前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その刑の全部の執行を猶予された者、又は前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者であること、②3年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けたこと、③犯情の軽重及び犯人の境遇その他の情状を考慮して、再び犯罪をすることを防ぐために必要であり、かつ、相当であると認められることを充たす場合です。

この場合、1年以上5年以下の期間、その刑の一部の執行を猶予することができるとされています。

4 具体的な基準

刑の全部の執行猶予も、刑の一部の執行猶予も、「執行を猶予することができる」とされているため、上記に該当する場合に必ず執行猶予が認められるとは限りません。

実際に、執行猶予が認められるかは、事実関係が重要ということになります。

事案の内容だけでなく、その後に被疑者、被告人がどのような行動をしたかにより執行猶予が認められるか否かが変わる可能性もあります。

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