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「その他」に関するQ&A

犯罪の未遂はどのような場合に罪になるのですか?

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年10月2日

1 未遂罪

刑法43条本文において、未遂は、「犯罪の実行に着手したがこれを遂げなかった」と規定されています。

例えば、殺意をもって被害者をナイフで刺したが、被害者が一命をとりとめて、殺人が実現しなかった場合です。

未遂が処罰される犯罪は、未遂を処罰するという規定がある場合です。

2 窃盗未遂

未遂罪が規定されている犯罪で、未遂罪となれば処罰の対象となるため、どのような時点で未遂となるかは、重要な問題です。

犯罪の結果発生の危険が高まった状態であれば、未遂罪となりうるのですが、万引きしようとコンビニに入ったという事例を例にとりましょう。

万引き目的でコンビニに入った時点ではどうでしょうか。

いくら万引き目的であろうと、お店に入っただけでは、窃盗の結果発生の危険性が高まったとまではいえず、窃盗未遂罪にはならないでしょう。

次に、万引きする商品を選ぼうと、商品を見ながら店内を回っている状態ではどうでしょうか。

この時点でも、いまだ窃盗の結果発生の危険性が高まったとまではいえず、窃盗未遂罪にはならないと考えられます。

では、万引き目的で、商品を手に取って、手に持ったまま、店外に出ようとしたところ、店員に呼び止められたような状況であれば、どうでしょうか。

万引き目的で商品を手に取って、店外に出ようとしたら、窃盗の結果発生の危険性が高まったといえ、窃盗未遂罪となると考えられます。

なお、窃盗犯人が店内に留まっていても、商品をバッグやポケットに入れると商品の占有を移転したものとして、窃盗罪の既遂となると考えられています。

3 未遂の刑

未遂罪は、既遂と同じ法定刑が適用されるため、例えば、窃盗未遂罪では、10年以下の懲役刑または50万円以下の罰金の範囲内で、裁判官が刑を決定します。

ただし、刑法43条本文に「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる」と規定されているように、未遂で終わったことは、刑の減軽事由になりえます。

実際、結果が未遂に終わった場合は、既遂に至った場合よりも、量刑が軽くなるというのが、実務的な感覚です。

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